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お米

おいしい「お米」のお話をしましょう。

米づくり40年
朽木勝之さんのお話

良質なうまみを醸し出す「デンプン」たっぷり
粘土土壌、盆地気候の国見町でとれるおいしいお米!

 国見町は、昔から米づくりが盛んな町です。阿武隈川流域の肥沃な粘質土壌は、保水力が高くおいしいお米が収穫できる場所として、8世紀の頃には古代律令国家の土地制度と深い関係をもつ条理制による整備がなされていました。しかも信達盆地にある国見町は、昼夜の寒暖の差が大きい盆地性の気候。太陽の光をいっぱいに浴びながら光合成を活発に行うことでうまみである「デンプン」を作り出し、気温が下がる夜に「デンプン」が蓄積されていくのでうまみを凝縮したおいしい米になるのです。
 さらに国見町では、お米を収穫するだけでなく、福島県下有数の種場(採取ほ場)として、良質の種籾も生産しています。「種籾を採取するほどの土壌で穫れるお米だからね。本当においしいよ」と、語るのは米づくり40年のプロフェッショナル朽木勝之さんです。「40年と言っても、クールに考えれば40回しか作っていないということだからね。まだまだだよ(笑)」と、自身のことを笑い飛ばしますが、朽木さんの米作りはとても緻密でていねいです。

データと経験を融合させたスマートな農業
こまやかな水管理で大事に育てています

 現在、35haの田畑に4種類のお米と大豆を作っていますが、データ化と機械化が進んだ農業はかなりスマート。「肥料も昔は、元肥や追肥などがありましたが、今は『元肥一発肥料(もとごえいっぱつひりょう)』といって、田植えの時にまとめて肥料を入れられるようになりました。それも最初に効くタイプの肥料と、コーティングによって積算温度と日にちで30日後とか50日後に溶けてくるタイプの肥料があるので、昔の農業とはかなり変わりました」。田植え前の準備で特に気をつかうのが肥料をどう配合するかです。前年の収穫量と土地の地力、今年の気候などの検討事項をJAと農業普及所の方と一緒に相談しながら組み立てて行くのだそう。3者による話し合いは、田植えを済ませた後も続けられます。「毎月1回は集まって水稲の生育状況を報告し、おいしいお米に近づけるためのよりよい管理を相談します」。
 近年の米作りで一番大事にしていることを尋ねると、朽木さんは「水の管理だな」と教えてくださいました。毎日、田んぼを見回り、水が無くなれば足します。問題は、広々とした田園風景の中の田んぼの所有がバラバラなこと。今すぐに水を入れたくても順番があります。「待っていて水をかけるしかない。この我慢は、昔から変わらないな。でも、昔ほど田んぼも細かく分かれているわけではないので少しは、楽になったかなあ」。梅雨が明けず気温が低い日が続くような時は、保温のために田んぼの水を少し深めにするのがポイント。「逆にジリジリと暑い日が続く時は、本当は掛け流しにしてやりたい。でも、水不足になる可能性もあるので様子を見ながら…というところだね」

雨の日も晴れの日も田んぼに通う
お米の健気さとお客様の声が励み

 「今年の米もよさそうだ!」と最初に感じる瞬間は、8月上旬。風のない晴れた日の午前中、たった1~2時間くらい稲の穂先に小さな花が咲きます。「水稲は、そのわずかな時間に授粉します。スムーズに行けばOK!」。その後、穂の曲がり具合やもみ数の数も確認します。たわわでもみの数が多ければひと安心。後は、台風さえやり過ごせれば、うれしい実りのシーズンです。振り返ると40年の間には、予期せぬ出来事もたくさんあったそうです。それでもお米は、いつもお米になろうと懸命に天を目指します。お米の健気さと「おいしかったよ」「来年もまたお願いします」という、お客様の声を励みに朽木さんは、雨の日も晴れの日も足繁く田んぼに通いお米の様子を細かく観察し、必要な管理を徹底しながら収穫の秋を目指してきました。

おすすめは、食べ応えのある「天のつぶ」
11月には新米が登場します!

 現在、朽木さんの田んぼでは、8月末に収穫する極早生品種の「まんざいらく」が稲穂を垂れ始めました。福島県のオリジナル水稲品種「天のつぶ」「ひとめぼれ」「コシヒカリ」もすくすく育っています。「どれもおいしいけれど、おすすめは『天のつぶ』だね」。福島県農業総合センターで15年の歳月を費やして完成させた「天のつぶ」は、しっかりとした食感で粘りもあり、「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」と同等の良食味。「昨年から一般の米農家さんもつくりはじめたんだが、うちでは、平成23年から試験栽培に協力していました。米の粒が大きくて硬め。食べ応えがあって、食感が若い人向き。冷めてもおいしいからお弁当にいいんじゃねえかと思うなあ」。
 米作りのこれからについては「収穫量という点でやり方は、すでに完成されているので、これから私たちが目指していくのは、有機肥料や減農薬をさらに進めて、さらにおいしいコメを作ることですね」と教えてくださいました。
 8月下旬、朽木さんの田んぼでは、「まんざいらく」に続いて「天のつぶ」「コシヒカリ」「ひとめぼれ」の稲穂も膨らみはじめました。穂先が垂れて田んぼ一面、黄金色に輝いてきたら待ちに待った稲刈りです。11月には、新米がお米屋さんやスーパーの店頭に並びます。ぜひ、ツヤツヤふっくらの新米を堪能してくださいね。

国見町でとれるお米の種類
天のつぶ

 平成7年に福島県農業総合センターで玄米品質が良好な良食味品種の育成するべく交配がスタート。同18年から21年まで水稲有望系統現地適応性試験を行い、育成を完了。同22年に福島県の奨励品種に決定。ふっくらツヤツヤで香りが良く、甘みもあり冷めてもおいしい品種。

コシヒカリ

 昭和31年、福井県農業試験場で誕生しました。「越の国に輝く」という意味で「コシヒカリ」と名付けられました。粒は、中くらいの大きさでやや広く、平らな品種。

ひとめぼれ

 平成3年に宮城県古川農業試験場で生まれました。光沢が美しく、出会った瞬間に一目ぼれをしてしまうような魅力を持っていることが名前の由来。粒がやや長く光沢が良い品種。

まんざいらく

 福島県国見町で見つかった極早生の水稲品種で、収穫は8月末。平成17年に国見町長が発見しました。「萬歳楽」は事の始まり、「千秋楽」は事の終わりを意味し、雅楽の「萬歳楽」は天皇即位の時に奏でる大変おめでたい曲。「まんざいらく」は、国見町の西方、福島県と宮城県境にある霊峰「萬歳楽山」にちなんで命名されました。地震のときに唱える呪文の「マンザイラク・マンザイラク」はこの萬歳楽山から出ています。

〒969-1792 伊達郡国見町大字藤田字一丁田二2-1 TEL:024-585-2111 FAX:024-585-2181

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