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おいしい「果樹・野菜」のお話をしましょう。
国見町川内地区の「長ゴボウ」と「長ニンジン」は、年末年始のごちそうに欠かせない食材として多くのファンを持っている伝統野菜です。冬の伝統料理として福島地方一円で食べられている「イカニンジン」は、スルメイカとニンジンを調味料に漬け込んだもので、昔ながらの料理に欠かせないのが長ニンジンです。
実は、ニンジンにはいろいろな種類があることご存知ですか? 一般的なのが『三寸』『五寸』などの太くて短い西洋系、細くて長い品種が東洋系です。ニンジンなら短くても長くても同じと思って西洋系で「イカニンジン」を作ると、味の違いが分かります。
川内地区で長ニンジンを作り続けて40年になる鈴木耕治さんは「好みもあるとは思いますが、お正月料理に欠かせない『イカニンジン』は、長ニンジンですね」と話します。「何が違うって一番は香りとシャキシャキッという歯ごたえだね。甘みがあるという人もいます」。なかには「子どもの頃に食べた懐かしい味がします」という人も。
長さ約90cmから1mにもなる長ニンジンは、栽培も収穫も手間がかかります。それでも鈴木さんは、お客様の喜ぶ声を励みに毎年、春になると奥様の恵子さんと二人で種を蒔き続けています。
やわらかくて香り高いゴボウとして評判の長ゴボウも川内地区の特産品です。鈴木さんをはじめとする同地区の農家の皆さんは、滝川と阿武隈川の合流地一帯に広がる畑で「柳川理想」や「滝野川ごぼう」などの品種を栽培しています。どちらも春に種を蒔いて10月末から12月かけて収穫する品種で、70cm〜1mくらいのスラリと細長い形をしています。「よく味が染みるのでキンピラゴボウも煮ものもおいしくできます。歯ごたえもいいので天ぷらもホクホクに揚がります」と恵子さん。
広い国見町ですが、長ゴボウと長ニンジンが収穫できるのは、一部の畑に限られています。その理由を鈴木さんは、土壌にあると話します。「形を見ても分かるように長ゴボウも長ニンジンも1m近くのやわらかい土が必要です。半田山の麓の扇状地で、阿武隈川と滝川の合流地点にある川内地区は砂質。下層までやわらかい土壌が広がっていて排水もよいので長ゴボウや長ニンジンの栽培にぴったりの場所なんです」。ミネラルも豊富でニンジンやゴボウのほかにも、長芋や里芋などおいしい根菜が育つ場所として町内外に広く知られています。だからと言って昔からよい土壌だったわけではなく、戦前の川内地区は、川が氾濫する度に畑に水が上がり、その度に作物が水に流されるという大変な場所でした。作物が安定して収穫できるようになったのは、堤防が出来た昭和20年以降。「同じ頃、大枝小学校に赴任してきた東京農大卒の農学博士、高橋伊蔵先生が近代農業を指導してくれたことも大きかったようです。高橋先生のお蔭で川内地区の野菜の収穫量が飛躍的に伸びたと私の祖父がよく言ってました」。
鈴木さんたちは毎年、ゴボウ5トン、ニンジン2トンほど収穫しています。イカニンジンやキンピラゴボウ、紅白なますなどのお正月料理をいただきながら新年を迎え、小正月の行事も済むと、いよいよ新しい年の畑の準備が始まります。
目下の悩みは、ゴボウの連作障害。「昔は、5年間輪作しなさいという指導の下、ゴボウの次は麦、その次はトウモロコシ、陸稲というような野菜作りをしていました。どれも特徴のある作物で、それぞれに必要とする養分が違うので、これを繰り返すことで畑の土のバランスが保たれるという仕組みでした。今は、そうしたゆとりがないので畑を代えたり、借りたりしながら栽培しています。『川内のゴボウじゃないと』と言って待っている人がいる限り作り続けます」と鈴木さん。
ちなみにゴボウやニンジンなどの根菜類に含まれる食物繊維は、発がん性物質やコレステロールの排出を促すだけでなく、ダイオキシンなどを体内から排出する働きもあると言われています。なかでもゴボウは、根菜類の中でも突出して食物繊維含有量が豊富。食べておいしいだけでなく、有害物質から身体を守ってくれる頼もしい健康野菜です。毎日、おいしくいただきなら野菜の元気をもらっちゃいましょう。
国見町では、豊かな土壌で様々な野菜が栽培されています。栄養たっぷりに育った野菜を是非食べてみて下さい。様々な直売所、スーバーで求める事ができます。
[キュウリ] [トマト] [ナス] [ピーマン] [スナップエンドウ] [サヤエンドウ] [ネギ] [キャベツ] [レタス] [ハクサイ] [コマツナ] [アスパラガス] [ジャガイモ] [タマネギ] [ダイコン]
国見産のこんな野菜たちを見かけましたら、一度ぜひご賞味下さい。新鮮な野菜は国見の大地からの贈り物です。