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果樹・野菜

おいしい「果樹・野菜」のお話をしましょう。

阿部 亨さん 郁(かおる)さん

あんぽ柿生産農家
阿部 亨さん
   郁(かおる)さんのお話

あんぽ柿の歴史

 澄みきった青空に里山の紅葉が映える秋、そのなかでひときわ美しい飴色に輝いているのが国見町で「あんぽ柿」を生産している皆さんのお宅の干し場です。
 福島県の北部に位置する国見町は、冬でも日照量が多く、昼と夜の寒暖の差が大きいことから干し柿作りに最適と言われ、阿部亨さんとご子息の郁(かおる)さんのお宅でも、郁さんのおじいさんの時代からあんぽ柿を作り続けています。ひらがなで表記されるかわいらしい名前の語源を尋ねると「皮を剥いて天日で干して作ることから昔は、『天干柿(あまぼしがき)』と呼ばれていたようです。それが変化して『あんぽ柿』と呼ばれるようになったと聞いています」と亨さん。
「昔は、自然乾燥だったので今のような飴色ではなくてかなり黒ずんだ硬い干し柿だったようです。昭和の始め頃から生産工程で硫黄薫蒸を行うようになり、半生でとろりとしたあんぽ柿ができるようになったと聞いています」。きっかけは、1920年の戦後恐慌でした。繭の大暴落で大きな打撃を受けた旧五十沢村の農家の皆さんがなんとか副業をと試行錯誤。米国のカリフォルニア州で行われていた干しブドウの乾燥方法にヒントを得て、硫黄で燻蒸するという画期的な技術を編み出しました。「技術を確かなものにするにあたっては、五十沢農業公民学校に赴任してきた教師が尽力したそうです」。硫黄燻蒸は、その後、地域全体に広まり、阿部さんのお宅でもおじい様の代からあんぽ柿を作り続けています。

ゼリーのようなお菓子感覚のあんぽ柿ができるわけ

ゼリーのようなお菓子感覚のあんぽ柿ができるわけ

 阿部さんは、おいしい干し柿を作るために原料の「蜂屋柿」と「平核無(ひらたねなし)」の生産も手掛けています。「木に勢いがほしいので有機肥料を多めに散布するようにしています」。柿の実の収穫作業は、品種によって異なります。平核無は、10月25日くらいから11月まで。蜂屋柿は11月中旬から11月下旬まで。「蜂屋柿は、収穫するタイミングも大事です。私は、1回霜に当ててから収穫するようにしています。ほどよい刺激を与えると柿は、真っ赤になっておいしさを増します」。まだ柿の実が青い頃に収穫したものを干すとあまりおいしくなく黄色の干し柿になってしまいます。「収穫時期のポイントは、柿の熟度。見極めながら11月中に収穫を終えるようにしています」。
 もぎ取った柿の剥皮作業は、5日ほど追熟させてから始めます。「この追熟もおいしいあんぽ柿に仕上げるコツです」と阿部さん。皮を剥いた柿は、ひもに通し硫黄燻蒸をして天日に干します。燻蒸することで殺菌ができ、焚火色のようなあめ色のあんぽ柿ができるのです。「おいしいあんぽ柿づくりには、日中の温度差に加えて、身を切るような寒風も必要不可欠。国見町には、両方が揃っていますからね。とは言っても、その年その年で気候も代わります。湿度が多いときは、遮断して外の空気から守るなどしながら見守るのも私たちの仕事です」。
 皮を剥いた柿を干す期間は、平核無が20日程度。蜂屋は1カ月以上かけて干し上げます。出荷の目安は、柿の実の表面に縦に出来るシワ。3本以上あり割ったときに中がゼリー状になっていて、食味検査で渋みがなければOK! さっぱりした甘さが魅力のあんぽ柿ですが、糖度を計ると20度くらいになります。ビタミンCや食物繊維もたっぷりでアンチエンジングにも効果的と言われるあんぽ柿。ぜひ、お菓子感覚で食べてみてください。

柿の種類
  • 平核無
    (ひらたねなし)

    平核無と書いて「ひらたねなし」と読みます。種がないので食べやすい品種です。名前は、読んで字のごとく平たくて四角い(平)形の種(核)がない(無)柿という意味です。不完全渋柿で出荷の前に干すことで甘くなります。
    【収穫の時期】10月25日くらいから11月まで。
    【出荷の時期】12月10日頃から2月下旬まで。

  • 蜂屋柿

    岐阜県美濃加茂市蜂屋町原産の渋柿です。果実は、長楕円形で頂部がとがっています。干し柿専用種で乾燥が早く、果肉は焚火色にも似たあめ色に仕上がります。柿の栽培品種の多くは、雌花しかつかないので、 近くに雄花のつく品種、花粉を多く持つ品種を植えると実が付きやすくなります。
    【収穫の時期】11月中旬から11月下旬まで。
    【出荷の時期】12月10日頃から2月下旬まで。

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